高いダイエット効果で大きな注目を浴びているGLP-1新薬のオゼンピック。
しかし、
- オゼンピックってどんな薬?
- オゼンピックを使ったらなぜ痩せるの?
- オゼンピックでダイエットする方法は?
などの疑問がある人も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、
- GLP-1薬で痩せる仕組み
- オゼンピックの特徴や減量効果
- オゼンピックでダイエットする方法
などを徹底解説します。
5分ほどで読めますので、オゼンピックを使ってダイエットしてみたい人はぜひ参考にしてみてください。
GLP-1受容体作動薬とは?
オゼンピックはGLP-1受容体作動薬とよばれる薬です。
しかし、「GLP-1受容体作動薬を使ったらなぜ痩せるの?」
と疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。
そこで当項目ではGLP-1受容体作動薬について詳しく解説していきます。
GLP-1薬で痩せる仕組みは?
GLP-1はもともと人間の体内にあり、小腸から分泌されるホルモン。
GLP-1はダイエット効果があることから「痩せホルモン」とも呼ばれます。
しかし太っている人は痩せている人より体内のGLP-1の分泌が少ない傾向があるのです。
そこでGLP-1薬によって体の外から「痩せホルモン」を補うことでダイエット効果が期待できます。
また、体内のGLP-1は「DPP-4」という酵素によってすぐに分解されてしまいますが、GLP-1薬は働きが阻害されないように開発されているのです。
GLP-1薬で痩せる仕組みは以下のとおり。
GLP-1薬には胃のぜん動運動をゆるやかにして消化を遅らせる働きがあります。
そのため胃の内容物が小腸へ排泄されるスピードがゆっくりになることで、胃に長時間食べ物がとどまるようになります。
その結果これまでよりも早く満腹感を感じられるようになり、食間にも空腹感を感じにくくなるのです。
GLP-1薬によって今までよりも食べる量が少なくなることで摂取カロリーが抑えられ、ダイエットにつながります。
東京GLPクリニックでダイエットした人の体験談では、GLP-1薬の効き目によってフルコースが半分でお腹いっぱいになったという声もあります。
(2)脳に直接作用して食欲を自然に抑える
GLP-1薬は脳の食欲中枢に直接作用して食欲を抑える効果もあります。
これまで自己流の食事制限ダイエットで食欲を抑えられず、途中で挫折してしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。
体内のGLP-1の分泌が少ない人は特に自分の意志で食欲を抑えるのが難しいので、ドカ食いの原因になってしまいます。
そこでGLP-1薬を使用することで自分の意志とは関係なく自然に食欲が抑えられ、無理せずにダイエットができるのです。
(3)血糖値の急上昇を防いで体脂肪を蓄積しにくくする
空腹時にいきなり炭水化物などを摂ると血糖値が急上昇し、血糖値を下げようと多くのインスリンが分泌されて糖が肝臓や筋肉などの組織に取り込まれます。
以上のように、GLP-1受容体作動薬が体内のさまざまな部位に働きかけることでダイエット効果が期待できます。
GLP-1薬の種類
- リラグルチド(商品名:ビクトーザ)1日1回投与→2010年1月承認
- エキセナチド(商品名:バイエッタ)1日2回投与→2010年10月承認
- リキシセナチド(商品名:リキスミア)1日1回投与→2013年8月承認
- エキセナチド(商品名:ビデュリオン)1週間に1回投与→2015年3月承認
- デュラグルチド(商品名:トルリシティ)1週間に1回投与→2015年7月承認
- セマグルチド(商品名:オゼンピック)1週間に1回投与→2020年3月承認
ただ、これらはすべて2型糖尿病治療薬として血糖値を下げるために開発・承認されているので、上記すべての薬でダイエット効果があらわれるわけではありません。
この中でGLP-1ダイエットでおもに使われている薬は「ビクトーザ」で、新薬「オゼンピック」はダイエット効果が高いのが特徴です。
次項ではオゼンピックの特徴や減量効果などを詳しく解説しますので、オゼンピックを使ってダイエットしてみたい人はぜひ参考にしてみてください。
オゼンピックの特徴や減量効果を解説
「オゼンピックがほかのGLP-1薬と違う点はどんなところ?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで当項目では、GLP-1の新薬オゼンピックの特徴や減量効果を解説します。
- 1週間に1回の投薬
- 体重減少効果が高く持続しやすい
- BMIの高い人が痩せやすい
- 副作用が起こる率が少し高い
順にくわしく説明します。
1週間に1回の投薬
オゼンピックの投薬頻度は1週間に1回です。
GLP-1ダイエットで広く使用されている「ビクトーザ」は、毎日投薬する必要があります。
その点オゼンピックなら1週間に1回の投薬でよいので、注射が苦手な人にも負担が少ないのがメリットです。
また、毎日投薬するのが面倒な人や忙しくてダイエットに時間が取れない人も続けやすいのもうれしいポイント。
週1回投与のオゼンピックなら1週間以内の旅行では薬を持って行く必要もないので、これまでどおり気軽に遠出や外出もできます。
体重減少効果が高く持続しやすい
オゼンピックは体重減少効果が高く、薬の効果が持続しやすいのも特徴です。
オゼンピックを開発したノボ ノルディスクファーマという会社がまとめた資料においても、オゼンピックの体重減少効果について言及されています。
GLP-1 受容体はヒトの脳の満腹感及び食欲の制御を司る領域に発現し65、血漿中 GLP-1 濃度の変化により当該領域での脳の活動を活性化する66。GLP-1 はヒトで空腹感の抑制、満腹感の増加、エネルギー摂取量の低下を誘発し、その結果体重を減少させることが知られている 22,23。動物試験では、セマグルチドは脳の特定領域に取り込まれ、満腹シグナルを活性化し、空腹シグナルを阻害する。摘出した脳組織切片を用いた検討により、セマグルチドが満腹に関与するニューロンを活性化させ、空腹に関与するニューロンを阻害することが認められた
上記の内容をまとめると以下のとおり。
- GLP-1が空腹感を抑制して満腹感を増加させることで、摂取エネルギーが減り体重が減少する
- 動物実験では、セマグルチド(商品名オゼンピック)が脳に取り込まれることで満腹感を刺激し、空腹感を抑えることが認められた
また、資料内には臨床試験によって判明したオゼンピックの体重変化についても記載されています。
すべての臨床薬理試験において、ベースラインから投与終了までの体重の変化量について評価した(Module 2.7.2.3.2.5.1 参照)。セマグルチドによる体重減少は試験及び試験対象集団(2 型糖尿病患者及び肥満被験者)を通して認められ、投与後 12 週の平均体重減少量は 4~5 kg であった。プラセボ投与を受けた被験者(日々の生活で得られる体重に対する一般的な効果)と比較してセマグルチドの投与を受けた被験者で体重減少量は大きかった。
上記をまとめると以下のとおり。
- セマグルチド(商品名オゼンピック)を12週間投与した試験結果では、対象者の体重減少が平均4~5kg
- プラセボ(効果のない偽薬)を投与した対象者との比較では、セマグルチド(オゼンピック)のほうが体重減少効果が大きかった
さらに、セマグルチド(オゼンピック)を投与するとおもに体脂肪の量が減少することが分かっています。
セマグルチドの体重減少が主に体脂肪量の減少に起因し、体脂肪量は除脂肪体
重と比較して 3 倍低下したことが示された
また、セマグルチド(オゼンピック)投与によって摂取カロリーが減ることや、「脂肪分の高い食事を食べたい」と感じる嗜好が下がることも分かっています。
肥満被験者を対象とした試験(3685 試験)では、プラセボ投与後と比較してセマグルチド投与後で、食欲が抑制され、食行動のコントロールが改善され、食事に対する渇望が低下し、高脂肪食に対する嗜好が低下した(Module 2.7.2.3.2.5 参照)。セマグルチドによりエネルギー摂取量が大きく低下した(Module 2.7.2.3.2.5.2 参照)。プラセボ投与後と比較してセマグルチド投与後で、3 つの自由裁量の食事(ad libitum meal)でのエネルギー摂取量が 18~35%(昼食 35%、夕食 18%及び間食 22%)低下した。すべての自由裁量の食事のエネルギー摂取量は、プラセボ投与後と比較してセマグルチド投与後で約3000 kJ(約 700 kcal)以上低下した。これは、自由裁量のエネルギー摂取量がプラセボと比較してセマグルチドで 24%低下したことに相当する。悪心及び食事のおいしさに関するスコアに基づくと、食事Module 2.541 of 124摂取量及びエネルギー摂取量の顕著な低下が認められた食事において、食物に対する嫌悪及び悪心の兆候は認められなかった。
上記についてまとめると以下のとおり。
- セマグルチド(オゼンピック)投与によって、プラセボ(偽薬)投与と比較して食欲が抑制された
- セマグルチド(オゼンピック)を投与することにより、高脂肪の食品を好んで食べたいという欲求が下がった
- プラセボ(偽薬)投与後と比較して、セマグルチド(オゼンピック)投与後は摂取エネルギー量が700kcal以上低下した
さらに、オゼンピックの体重減少効果が長期間持続することも試験によって証明されています。
試験によるとセマグルチド(オゼンピック)による体重減少効果は投与して4週間後にはあらわれ、投与後30週で最大の効果に到達。
また、体重減少は最長56週間も維持されていることから、効果の持続性が高いことが証明されています。
オゼンピックの体重減少効果が高いことは、オゼンピックとさまざまなGLP-1薬の効果を比較したSUSTAINシリーズの試験によっても示されています。
SUSTAIN7試験(オゼンピックとトルリシティの比較)
【方法】
2型糖尿病患者1,199人を以下のようにランダムに振り分け、40週にわたり週1回皮下投与して体重変化を比較検証。
- セマグルチド(オゼンピック)0.5mg投与群:301人
- セマグルチド(オゼンピック) 1.0mg投与群:300人
- デュラグルチド(トルリシティ)0.75mg投与群:299人
- デュラグルチド(トルリシティ)1.5mg投与群:299人
【結果】
40週後の体重減少度は,semaglutide 0.5mg群-4.6kg,dulaglutide 0.75mg群-2.3kg(ETD-2.26kg[-3.02 to -1.51],p<0.0001),semaglutide 1.0mg群-6.5kg,dulaglutide 1.5mg群-3.0kg(ETD-3.55kg[-4.32 to -2.78],p<0.0001)であった。
試験結果をまとめると以下のとおり。
<体重変化>
- セマグルチド(オゼンピック)0.5mg投与群:-4.6kg
- デュラグルチド(トルリシティ)0.75mg投与群:-2.3kg
- セマグルチド(オゼンピック)1.0mg投与群:-6.5kg
- デュラグルチド(トルリシティ)1.5mg投与群:-3.0kg
以上のように、オゼンピックはトルリシティに比べて体重減少効果が高いという結果が出ています。
また、オゼンピックとビクトーザを比較した試験についても紹介します。
SUSTAIN10試験(オゼンピックとビクトーザの比較)
【方法】
成人2型糖尿病患者577人を以下のようにランダムに振り分けて30週間投与して体重減少効果を比較検証。
- セマグルチド(オゼンピック)投与群:290人
- リラグルチド(ビクトーザ)投与群:287人
【結果】
体重の30週後までの変化は,semaglutide群-5.8 kg,liraglutide群-1.9 kgで,有意な群間差を認めた(ETD -3.83 kg,95%CI -4.57 to -3.09,p<0.0001)。
30週後にHbA1cが<7.0%に到達した患者(semaglutide群80% vs. liraglutide群46%,オッズ比5.98,95%CI 3.83 to 9.32),≦6.5%に到達した患者(58% vs. 25%,4.84,95%CI 3.21 to 7.30),体重が≧5%減少した患者(56% vs. 18%,5.89,3.93 to 8.81),≧10%減少した患者(19% vs. 4%,4.99,2.57 to 9.68),および複合エンドポイント(HbA1c<7.0%で重症/症候性[血糖値で確定診断]低血糖を伴わず,体重増加もなし)の発生(76% vs. 37%,6.07,4.02 to 9.15)は,いずれもsemaglutide群でliraglutide群にくらべ,有意に多かった(いずれもp<0.0001)。
試験結果をまとめると以下のとおり。
<体重変化>
- セマグルチド(オゼンピック)投与群:-5.8kg
- リラグルチド(ビクトーザ)投与群:-1.9kg
<体重の5%以上が減少した対象者の割合>
- セマグルチド(オゼンピック)投与群:56%
- リラグルチド(ビクトーザ)投与群:18%
<体重の10%以上が減少した対象者の割合>
- セマグルチド(オゼンピック)投与群:19%
- リラグルチド(ビクトーザ)投与群:4%
以上の結果から、オゼンピックはビクトーザよりダイエット効果が高いことが証明されています。
BMIの高い人が痩せやすい
オゼンピックはBMIが低い人より高い人のほうが痩せやすい特徴があります。
【BMIとは】
BMIは「Body Mass Index」の略で、ボディマス指数と呼ばれる肥満度を表す体格指数です。計算方法は世界共通ですが肥満の判定基準は各国で異なります。
<計算式>
BMI=体重kg÷(身長m×身長m)
【日本肥満学会の判定基準】
- BMI18.5未満:低体重(痩せ型)
- BMI18.5〜25未満:普通体重
- BMI25以上:肥満
臨床試験では、オゼンピック投与によって体重減少効果が最も高かったのはBMIが25以上の対象者だったという結果が出ています。
「オゼンピック」による体重減少量は、ベースライン時の体格指数(BMI)に関わらず、それぞれ「デュラグルチド」0.75mgまたは1.5mgに比べ大きく、もっとも大きな体重減少を得られたのはベースラインのBMIが25以上の成人だった。
引用:糖尿病リソースガイド
以上のことから、オゼンピックは痩せている人よりBMIが25以上の人の方がダイエット効果を発揮しやすいのです。
副作用が起こる率が少し高い
オゼンピックは減量効果が高い分、副作用が起こる可能性も少し高いのが特徴です。
セマグルチド(オゼンピック)もしくはデュラグルチド(トルリシティ)を40週間投与して効果を比較したSUSTAIN7試験結果では、副作用に関して以下のような結果が出ています。
頻度の高い有害事象は消化管障害であり(semaglutide 0.5mg群43%,dulaglutide 0.75mg群33%,semaglutide 1.0mg群44%,dulaglutide 1.5mg群48%),早期治療中止の主な原因であった。
<消化器に関する副作用が出た割合>
- セマグルチド(オゼンピック)0.5mg投与群:43%
- デュラグルチド(トルリシティ)0.75mg投与群:33%
- セマグルチド(オゼンピック)1.0mg投与群:44%
- デュラグルチド(トルリシティ)1.5mg投与群:48%
以上の結果から、オゼンピックはトルリシティより副作用が起こる可能性が高いことが分かります。
また、セマグルチド(オゼンピック)もしくはリラグルチド(ビクトーザ)を30週間投与して効果を比較したSUSTAIN10試験結果では、副作用に関して以下の結果が出ています。
安全性プロファイルは,semaglutide群でliraglutide群にくらべて消化管疾患(43.9% vs. 38.3%)と治療中止となった有害事象(11.4% vs. 6.6%)が多かった以外は同程度であった。
<消化器に関する副作用が出た割合>
- セマグルチド(オゼンピック)投与群:43.9%
- リラグルチド(ビクトーザ)投与群:38.3%
以上の結果から、セマグルチド(オゼンピック)はリラグルチド(ビクトーザ)に比べて副作用が起こる確率が少し高いことが分かります。
オゼンピックでダイエットする方法は?
「オゼンピックでGLP-1ダイエットするにはどうしたらいいの?」
と疑問に感じる人は多いのではないでしょうか。
オゼンピックはGLP-1ダイエット専門のクリニックで処方を受けられます。
ただ、オゼンピックは新薬のため現在取り扱いのあるクリニックが少ないので、まずは医師にカウンセリングで相談してみるのがおすすめです。
体質や身体の状態によってはビクトーザなどほかの薬が合っている場合もあるので、薬の種類は医師と相談して最適な薬を処方してもらうのが効果的で安全な方法です。
オゼンピックは減量効果のあるGLP-1薬
オゼンピックは高い減量効果が期待できるGLP-1薬です。
しかしオゼンピックは新薬のためダイエットに関する症例がまだ少なく、従来のGLP-1薬より副作用が強く出る可能性もあります。
そのため、オゼンピックを使ってダイエットしてみたい人は取り扱いのある医療機関で疑問や不安なことなどを医師に相談してみてください。
また、東京GLPクリニックでもオゼンピックの処方が可能です。
東京GLPクリニックでは医師があなたの体質や健康状態、これまでのリバウンド経験などを考慮したうえで最適なGLP-1薬を処方します。
あなた専用のダイエットプランを作成し、減量に成功できるようしっかりサポート。
これまで自己流のダイエットで挫折してしまった経験がある人も、お気軽にご相談ください。
減量方法に精通した医師と一緒にできるGLP-1ダイエットで、あなたも理想の体型を目指しませんか?